2017/01/11
他のキリスト教世界でもそうですが、1月6日は「東方の3博士」リトアニア語で「Trys Karaliai(トゥリス・カラーリアイ、直訳:3人の王様)」と言い、イエス様の誕生を祝うために3人の博士が贈り物を持ってベツレヘムを訪問された日とされています。
クリスマスの期間はこの日をもって終わりになり、プレゼントの交換やクリスマスツリー等の装飾もこの日までです。
日本で言うところの「松の内」というところでしょうか。学校の冬休みもこの日までです。
(こちらは首都ヴィリニュスのクリスマスツリー)
またこの日は伝統的には「太陽が戻って来る日」とも言われています。
実際北ヨーロッパは11月、12月と秋から冬にかけてどんどん日が短くなりますが、それだけでなく、曇りの日が多いので、秋から冬の初めかけてお日さまの光にお目にかかれる時間がとても短くなりどんよりと暗い日々が続き、この時期には冬鬱にかかる人も多くなります。ただ1月に入って来ると、少しづつ日が長くなっていることを実感でき、晴れの日も増えてきます。明るいお日さまの光を浴びることは大きな喜びなのですが、雲に覆われていない分気温はぐっと下がり、マイナス10度、20度、時にはマイナス30度まで下がり本格的な寒さが待っています。12月までは寒いといっても0度前後なのでまだオシャレをしている人も多いですが、1月、2月の本格的な寒さの時期には殆どの人が完全防備で外出しています。
今年も1月に入り太陽が輝きを取り戻すと共に、本格的な寒さが待っていました!
そして、1月6日も良く晴れて寒い日でした。昔は「東方の3博士」の日には村などで男性たちが仮装し、豊作や健康を願いながら各家々を訪れるという風習があったようですが、現在ではそういったことは殆ど行われていません。
ただヴィリニュスでは毎年1月6日、夕方ごろから旧市街地の「夜明けの門(Aušros Vartai)」から天使や3人の王様の着ぐるみを着た列が街中を練り歩きます。
これまで観たことがなかったので、今年はと思い、マイナス17度の中をマフラーをグルグル巻きにして見に行ってきました。
凍えながら夜明けの門の方まで歩いていくと、ものものしくパトカーが先導している小さな人だかりが見えました。
近づいていくと、仮装をした人とそれに続く人々が全部で40人くらい歩いてきます。
あまりの寒さのため、想像していたカーニバルのように楽器の演奏も、踊りなども特になく、皆急ぎ足で寡黙にスタスタと歩いていました。吐く息も凍り付くほどの寒さですから無理もありません。
こちらは3人の博士をベツレヘムに導いた天使。
既に寒さで凍えていましたが、思い切って手袋を外して携帯電話のカメラでシャッターを切ります。横で3,4人くらい新聞社のジャーナリストたちも列を追いかけながらシャッターを切っています。
こちらは誰でしょう?お付きの者でしょうか?
3人の博士たちがやってきました。
博士たちがこちらに向かって手を振ってくれた場面もありました。
とてもとても寒いだろうに、気遣いをありがたく思うばかりです。
その間、ものの1,2分でしょうか。行列は通り過ぎたところで、手はかじかみすぎてほとんど感覚を失くしこのままもぎれてしまうのでは、と恐怖を感じるほどになりました。
携帯電話のバッテリも20%残っていたのが、数枚写真を撮ったところで電池切れになってしまいました。この気温では消耗もかなり激しいようです。
この寒さの中で行列はどこまで歩くのだろうかと思いながら近くのカフェに慌てて入り、15分ほど外にいて凍えた体が「解凍」されるのをじっと待ってカフェラテを頂き、ほっと生き返る心地でした。すぐあとにジャーナリストの人も眼鏡を曇らせながら慌てて駆け込んで来ました。
夕方から夜になり気温はどんどん下がってきています。行列の皆さんが風邪をひかずに今ごろ温まっているといいな、と思いながら帰途につきました。
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