2013/11/18
リトアニアのきのこ狩りは、8月下旬~10月上旬がハイシーズンとなります。特に、森に囲まれた南部・ズキヤ地方(地図上のクリーム色部分の地域)では、きのこ狩りがとても盛んです。森に囲まれ砂地が多く、肥沃でないこの地方の土地は麦などを育てる農業には向かず、昔からきのこ狩りやベリー狩りが1つの大きな生活の糧となっていました。また痩せている土地でよく育つとされる『蕎麦』の栽培も盛んです。
その昔、ズキヤ地方の人々はその痩せた土地のため貧しい暮らしを強いられており【ズキヤの女性はきのことベリーがないと裸になってしまう】など揶揄されてきました。一方で、この地方はその豊かで美しい自然がチュリュローニスという偉大な画家・作曲家を生み出したり、今でも多くの芸術家のインスピレーションとなっています。またソ連の支配に抵抗するパルチザンたちもこの地方の深い森の中まで、最期まで抵抗を続け、リトアニアの独立を取り戻そうと奮闘してきました。深い森に囲まれたこの土地の人々は『頑固でとても粘り強い』とも言われています。
リトアニアではきのこは【栽培】されるのではなく、森の中に自生しています。地元の人達は、お気に入りのきのこ狩りスポットをみつけ、休みの日ともなれば早朝から森に入りきのこ狩りを楽しみます。一部を売ったり、一部をピクルスにしたり、パンケーキのソースにしたりという具合に様々に活用します。またシイタケのように干して乾燥保存にもしてスープに入れたりします。
きのこが多く自生している場所の条件としては、ある程度昔からある『古い森』であること、そして苔が豊かであることなどが挙げられます。木の根元や写真のようなフカフカした苔の中にきのこが生えている事が多いです。そしてねらい目は雨の日の次の朝です。
このきのこはアンズタケと呼ばれるきのこ。リトアニア語ではVoveraitė(ボベライテ/子リスちゃんの意味)と言い良く食べられている種類のものです。落ち葉と見分けがつきにくく、また苔の陰に隠れている事も多いので、見つけるには慣れが必要。その分見つけた時の喜びはひとしおです!
Šilbaravykis(シルバラビーキス)と呼ばれるポルチーニ茸の一種。コクがあり、スープに入れるとよく出汁が出て美味です。
こちらは、、名前不明の毒きのこ。鮮やかな色のものは要注意です。ただ、色に関わらず毒性のあるきのこもあるので、きのこ狩りには必ずそういった知識がある人と同行しなければなりません。
40-50分ほどで、バケツいっぱいのきのこが集まりました!秋の醍醐味を感じます☆
森の爽やかな空気の中でゆったり散歩しながらきのこ狩りにいそしむリトアニア式・秋の休日でした。
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